98/5/23 乗鞍ツーリング  戻る

川崎→R20→塩尻→乗鞍畳平→高山→木曽福島→高ボッチ高原→R20→川崎

 かつて、250ccオフロードバイクのならし運転で、一日走り回っていたら、乗鞍まで行ってしまったことがある。いずれ、これをカブでやろうと思っていた。泊まって、のんびりしたいコースだが、今回は日帰りにこだわってみる。日帰りの良い所は、準備も荷物も少なく済み、思い立って出掛けられることだろう。ただ、今回は600km程度のキツイ行程になりそうなので、翌日も休みである土曜日を選び、非常仮眠用の寝袋を持っていく。無理はしない作戦だ。(既に企画が無茶ともいうが…)
 天気は、晴れ時々くもりで、雨は降らない予報だ。理想的だ。今年は、季節の進みが早いようなので、レンゲツツジが咲く、高ボッチ高原にも寄りたい。乗鞍へは長野側の道がまだ開通していないので、平湯から乗鞍スカイラインを往復しなけらばならない。ちょっと遠回りだが、安房トンネルが開通したようなので、意外と早いかもしれない。帰りに白骨温泉に入り、穂高のわさび田でも寄ろう。

 3:30川崎市宮前区発。やはり睡眠は不足がちだ。早い時間に、距離を稼がねばならない。R246→R16→津久井湖→相模湖→R20。相模原で給油。まだ早い時間だが、R20には数十台の自転車(レーサータイプ)軍団が延々走っていて、車がつまり気味。自転車をパスして、ひたすら、R20を走る。車の流れについていく。うちのカブは、60km/hくらいが振動が多く、辛いのだ。幸い車の流れが、そのスピードとずれているので助かる。振動も少なく、気持ち良く走れる。甲府付近も、道が空いている。土曜日は、トラックが少ないのがいい。甲信県境のドライブインのトイレに寄ろうと思ったが、解体中だ。道の駅にでもなるのだろうか?
 茅野からは、諏訪湖の西岸を通る道を、岡谷へ向かう。ガソリン入れねばと思いつつ、まだ開いているスタンドがなく、塩尻峠に入ってしまう。高ボッチ高原に寄ろうと思っていたが、ガソリンもないし、天気もちょっとガスっている感じなので、帰りに寄るとして、先へ進む。7:42塩尻峠西の"道の駅"。197km走行。トイレ&休憩。

塩尻で給油。塩尻からは、『サラダ街道』を波田まで。この道は、農耕地の中を走る道で、交通量も少なく広々として気持ちが良い。気温も上がり、睡魔が襲う。
波田からR158へ。車の量が多い。観光バスなども走っている。のんびりと車について走る。奈川渡ダムの手前で渋滞になる。道幅も狭く、すり抜けできない。対向車が集団で来るので、工事の渋滞だと分かる。ズルズルと進む。トンネル内で渋滞という最悪の事態になる。9時前でこれでは、帰りは更に凄いことになるのは確実。帰りにこの道はパスして、有料林道から木祖へ抜けた方がいいとなと、帰り道を考える。とりあえず、片側工事区間を過ぎると、道は順調に流れる。沢渡で止まる車が多い。ここから上高地へバスで入るのだ。車が減って、車の流れは良くなる。
上高地への分岐の直ぐあとに、安房トンネル入口はある。これのおかげで、冬期も行き来が出来るし、時間的にも楽になったはずだ。 しかし! なんと自動車専用道路であった。ちょっと、そんな気はしていたのだけれど…。 仕方なく、安房峠へ向かう。トンネルのおかげで、静かな峠になったようだ。交通量は少ない。これで観光シーズンに、バスが擦れ違えず大渋滞ということもなくなるだろう。穂高が間近に見える。梅雨前だというのに、やけに雪が少ないな。途中の乗鞍有料林道の入口は閉鎖されている。まだ、通れないのだろうか。帰りはどうする?
 9:21安房峠西。峠の店は開いていないというか、トンネルのおかげで店じまいしてしまったようだ。これから登る乗鞍がドーンと見える。カブよ頑張ってくれ、お前は、まだまだやれるぞ。せっかく標高を稼いだが、平湯までぐんぐんと下る。なかなか気持ちの良い道である。

 平湯からは、標高2700mまで、ひたすら登りである。オーバーヒートしないように、低いギアでは、あまり回転を上げないようにする。気温も徐々に下がって行く。エゾハルゼミが鳴いている。初夏だなぁ。料金所で通行料を払う。長野側へは抜けれないので、必ず往復料金になる。往復300円。

原付は安くてうれしい。自二だと往復2100円だ。バイクがほとんどいなかったのはこの料金のせいかもしれない。徐々に高山の趣になり、ハイマツと岩の世界になる。曇って霞んではいるが、穂高や薬師岳などがよく見える。車は駐車場待ちで渋滞しているが、カブはスイスイと駐車場へ。
10:13乗鞍畳平着。走行288km。標高2702m。登りの途中で、メーターは68000kmを回った。なんて、タフなんだ!
カブでここに来るのは2度目である。前回は、友人の50ccスクーターと松本でキャンプして、ここまで来たのだ。今回は、直接来たので、感慨深いというか浅いというか、不思議な感じだ。
今年は雪が少ない。雪渓では、スキーをしている。残念ながら、バイクは数台しかいない。いずれもビックバイクで、ライダーは見あたらない。カブで日帰りで来たといえば、大ウケ間違いないのだけれど…。
観光客が多く散策する気にならなかったので、五平餅など食べながら、山を眺める。
畳平2702m 今年は雪が少ない

下りはのんびり写真などを撮りながら行く。下りながら、「安房峠を登り返すの嫌だなー。その先の工事渋滞は相当長くなっているだろうし…」などと考える。「たしか、高山方面へ少し行くと、木曽福島へ行く国道があったはずだ。以前、通ったことがあるぞ。白骨温泉はパスして、そっちに行こう!」と、気分で決める。乗鞍から西側は手持ちの地図(旧2輪車ツーリングマップ関東)に載っていないが、行ってしまえ。R158は空いていて、気持ちの良い道。信号もほとんどない。しかし、かなり距離を走っても、分岐する国道は現れない。家からどんどん遠ざかっているけど、いいのか? 

高山市に入る。ありゃ、日帰りで高山なんぞに来ていいのか? 予想外に、西側へ走ってしまったようだ。やはり勘で走ってはだめだ。名古屋方面近道の標識を左折する。これもまた失敗。裏道に入ったため、標識がないのだ。ちょっと太めの道と交叉する辺りまで戻り、地元の人に木曽福島への道を聞く。やはり、その太い道がそうだ。危ない、危ない。
R361を木曽福島へ。車のほとんど走っていない、山の中の川沿いの気持ちの良い道だ。木曽福島まではかなり距離があるようだ。爽快に飛ばす。
12:13高瀬第一ダム。走行362km。さらに、しばらく走り、長野県開田村に入る。その直後、突如、道の右側から大きな灰色の物体が飛び出す。

「うわっ!」 急制動!
直前をカモシカがゆっくりと走り去る。ふーっ、危うくカモシカに轢かれる所だった(^^)。多分、こちらが負ける。カモシカはカメラを構える間もなく、森の中へ走り去った。
開田村は、私の好きな所である。走って楽しいし、ちょっと独特の雰囲気がある。
天気は快晴で、暑いくらいである。初夏真っ盛りという感じだ。エゾハルゼミが鳴き、レンゲツツジが咲いている。新緑も鮮やかで、白樺の白さも輝いて見える。そして、雪を被った御岳が素晴らしい。
爽快な初夏の開田村

 開田といえば『そば』である。胃袋もそれを欲している。しかし、開田を訪れたら寄ろうと思っていた店の名を、思い出せない。今回ここを通るつもりはなかったので、再チェックしてこなかった。聞けば思い出しそうではある。食事処を通る度に、名前をチェック。これじゃない、などとやっていたら、店がなくなってしまった。木曽福島のそば屋に変更する。
13:00木曽福島でR19に突き当たる。406km走行。そば屋を探すが、凄い込みようだ。駐車場に入れない車やバイクが、道に溢れている。入口に行列している店もある。13時、昼時なのだ。R19沿いの方が、圧倒的に交通量は多いのだ、開田で食べるべきだったと後悔しながら、そばは断念する。

 R19を塩尻方面へ向かう。交通量は、それなりにあり、車に付いてのんびり走る。かなり暑い。暑さで疲労する。休憩したい。高ボッチ高原で大休憩しよう。塩尻のコンビニで軽食を買い出すこと。
塩尻峠側から高ボッチ高原へ登る。相変わらず荒れた狭い道。『さわやかな高原に、一面のレンゲツツジ』を期待するが、気の早い花がチラホラ咲いているだけで、花期にはまだ早かった。
14:28高ボッチ高原。461km走行。牧場近くの、草地に寝転がって大休憩。ヒバリの声だけが、青空から降ってくる。

高ボッチから鉢伏山を望む

 15:18高ボッチ発。これからの200kmが辛そうである。岡谷から、諏訪湖西岸→茅野→R20。暑いし、車も多く、ちょっと辛い。ひたすら、R20を東京方面へ走る。
尻が痛くなる。ハンドルを握る手も痛くなる。路面の小さな凹凸のゴツゴツ感が辛くなってくる。ジャブのように、効いてきたようだ。カブの問題はサスペンションなのだ。新品ならまだしも、68000km乗りっぱなしだから…
甲府を過ぎて、17:57道の駅大和。走行570km。ここまで来ると、家も近い感じがする。といっても、あと100km! 18:15発。R20→相模湖→R16→R246。R16はそれなりに込んでいる。無理せず、慎重な運転を心がける。
21:04 なんとか、無事に帰宅した。走行665km。今朝のことや乗鞍のことが、遠い昔の出来事に思える。
走行665km 燃費54.0km/l程度 ガソリン代1200円 有料道路代300円

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