大鳥池タキタロウ

 タキタロウ……この名を知ったのは、『釣りキチ三平』だった。当時は創作上のものと思っていたが、いつしか、その伝承を伝える実在の地があることを知った。それ以来、大鳥池は気に掛かっていた。朝日スーパー林道の奥地のどん詰まりから、さらに徒歩2時間以上。そんな山深い地ゆえ、なかなか訪ねることはできなかった。

タキタロウ山荘前からの大鳥池
 泡滝ダムからの歩きに少々疲れた頃、大鳥池に着いた。想像より、小さいような、大きいような。池のような、湖のような。人里離れた山中の、小さな湖という感じ。 見た感じでは、魚影が特別濃いような感じは受けない。小さな沢が流れ込む。コンクリートの水門に、ちょっぴり失望。 高い位置から見る、池の姿が良い。ぶなの森に囲まれた池。新緑や紅葉の頃は、さぞかし美しいだろう。
 タキタロウは、イワナやヤマメとは違った、大型化する別種のようである。今や、あれこれと、想像を楽しむことができる数少ないものの一つだ。この謎は、謎として残しておいて欲しい気もする。
タキタロウ山荘前の看板
いつか、ここに野営して、数日過ごしたいと思う。


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