熊 クマ
初めて熊に遭ったのは、北海道大雪の登山道。ちょっと小高い、見晴らしの良い場所に着いた。見晴らしがいいので、山を眺めて写真を撮った。そして、一歩踏み出して凍り付いた。池の脇に大きな茶色の岩があるとは思っていたが、それがなんと大きなヒグマ! さらに少し奥には黒っぽい物が転がっている。子熊である。親熊は向かって右を向いて、こちらには気付いていないようだ。鼻を高く突き上げ、ひくひくと鼻を動かしているのが良く見える。最悪の場面である。しかし、意外と落ち着いており、後ろ向きに後ずさりして、灌木の後ろに隠れた。どうしようか考えて、手に持っていたカメラで写真を撮って、引き返す事にした。目標を監視しているうちはいいのだが、見えないとなると想像でビジュアルを作ってしまうのだ。熊が追いかけてくる図を…。必然的に、後ろを振り返り振り返り猛ダッシュとなってしまうのだ。 画像:茂みの中から撮ったヒグマ
次に熊をみたのは南アルプスの林道。法面の上から小石が落ちてきた。猿でもいるのかと思ったら、熊であった。小さな熊で、大きなニホンザル程度の大きさだ。胸の月の輪が綺麗であった。
その次は、北アルプスの標高2500mくらいの稜線。濃霧と突風で視界が7mくらい。岩影で休んでいると、その視界内を巨大な黒い熊が音もなく横切った。かなりぞっとした。気付かれないで良かった。2mくらいの大きさはあったろうか。見事な黒々とした毛艶であった。突風の日は鉢合わせる可能性があるとわかり、その後、見通しの悪い所では、手を叩きながら歩いた。
さらに、とあるキャンプ場。朝、遊歩道を散歩していると、遊歩道脇でガサガサとキノコ採りする人の音。低い木の上でカラスが何かしている。双眼鏡で見てみると、カラスと思った黒いものは、子熊がナナカマドによじ登って手で枝をよせて実を食べている所であった。すると、数メートル先の笹のなかでガサガサしているのは母熊ということになる。大丈夫そうでもあったが、引き返すことにした。キャンプ場付近の笹はかなりなぎ倒されており、「ここいら辺は茸取りが盛んなんだな」と思っていた。これは熊の歩いた跡だったようだ。そういえば、ペンションの人がうるさいくらいに鈴をつけて犬を散歩させていたっけ。
羚羊 カモシカ
初めてカモシカに遭ったのは長野県の山中の林道をバイクで走行中。カーブを曲がったら、そこに立っていた。カモシカって正面からみると、“二本足で立っている顔の大きな猿”のような不気味な生き物に見えるのだ。顔も変だし。この時も、なんか不気味な宇宙生物を見てしまったような、気持ち悪い感じがした。カモシカは急な崖を走って下っていった。 その後、カモシカには何度も遭っている。かなり近くでも観察できた。
印象深いのは、尾瀬沼で遭ったカモシカだ。沼の脇の小屋のベンチで休憩しながら尾瀬沼を眺めていた。いい天気の夏の昼下がりだった。 沼の脇の茂みから視線を感じた。カモシカがこちらを覗いている。持っていた双眼鏡で観察する。小屋の主人も含め、何人もの登山客がいたが、私の行動が理解できず不思議に思っていただろう。誰も気が着かないのだ。
カモシカはしばらく動かずにいたが、突如走りだした。小屋の数メートル先の浅瀬を右から左へ横切った。
その全てを双眼鏡で観察していた。近すぎて頭部付近をアップで観察した。銀色に輝く毛並みに、水しぶきがキラキラ弾けて映画の1シーンのようだった。なぜか、スローモーションのように感じた。
登山客のどよめきの中、一人、美しさに感動していた。
カモシカに遭うには、遠出しなければならないと思っていたが、思いがけず丹沢でカモシカに接近遭遇。家を出て2時間あまり。当時90分掛けて通勤していたので、ショックを受けた。遠くでなく、毎日の通勤+αでカモシカに遭えるのだ。年に数回のアルプスより、何度も通える丹沢の方がいいのではと思えた。その後しばらく丹沢に出掛けた。丹沢で最初に遭ったカモシカは後ろ足1本が使えず、3本足で歩いていた。その後、3年間“三本足”の元気な姿をみることが出来た。天敵がいないので、さほどのハンデではないのかもしれない。 (丹沢では鹿に遭うことは簡単だが、カモシカにはなかなか遭うことはできない。)
沢に落ちている死体を発見したことがある。近くに、黒い角が落ちていた。 カモシカも鹿の様に頭骨から直接生えていると思いこんでいたが、観察してみると、頭骨から大人の小指くらいの骨が出ていて、そこに外部から見える黒い角質状の部分が被さっているだけなのだ。
ここの角質部分の年輪から年齢がわかるそうだ。ちなみにこのカモシカは10歳だった。
南アルプスで道に迷って、カモシカ道に入ってしまい、下から上がってきたカモシカが道を譲ってくれないので、こちらが道を譲ったこともある。

鹿 シカ
生息するところでは、かなり数が増えているようだ。丹沢もかなり増え過ぎているようだ。人に慣れすぎて、餌をねだるものさえいる。
個人的には、白い尻尾の動きが好きである。
雄の角は、年齢によって形や大きさが違うそうだ。角は毎春落とし、新しい角が生えてくるのだ。あの立派な角は1年未満で作られているのだ。
友人がエゾジカの角を持っているが、倍以上の重さと大きさがある。エゾジカとホンシュウジカはそんなにも違うのだろうか?
紅葉の頃は、雄の鳴き声が哀愁を誘う。


猪 イノシシ
東日本には少ないらしい。昼間見ることは難しいようだ。鹿児島県の林道をバイクで走行中、道が行き止まってしまった。Uターンしたところ、猪が数メートル先でこちらを向いて凍り着いていた。かなりの時間向かい合っていたが、こちらが焦れてソロソロと近づいたら「ブヒッ」と鳴いて、走って逃げていった。これ一度だけだ。
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