ケラのつぶやき 2

98/12/5
 ちょっと早いですが、平成10年を振り返ってみます。

 裏庭観察記は、"他人に見せる"というよりは、"記録するため"に、漠然とスタートしました。 今まで通りの年と変わりない、平凡な記録になるだろうと予想していたのですが、新しい発見が沢山ありました。今まで、見ている気になっていただけで、見ていなかったのでしょう。

 まず、デジタルカメラの衝動買いにより、画像中心の内容になりました。
撮影すること自体が楽しく、結果的に、観察に力が入ったと思います。 HPに使用した画像だけでも、300以上にもなりました。 小さな画像ですが、画像での記録は有無を言わせない説得力がありますし、いい加減な同定をしても、後々訂正ができそうです。

 デジタルカメラを導入したことにより、見えてきたものがたくさんあります。
トウキョウヒメハンミョウが交尾の時、オスが大アゴでメスを捕まえていることなどは、画像を見てはじめて気付きました。

交尾するトウキョウヒメハンミョウ 土を運ぶジガバチ トックリバチの巣作り
飛んでいる虫をデジタルカメラで撮るというのは、かなり難しく、写っているのは偶然のようなものです。やはり、生きて動いているものを撮るのは大変です。

今年、新たに発見したこと。
目につき易い蝶々ですが、今まで気付かなかったものがありました。ムラサキシジミが家の横で繁殖していたこと。ゴマダラチョウがいたことにも、驚きました。モンキアゲハも、ふらっと立ち寄りました。

ムラサキシジミ メス 
水とは縁遠い場所ですが、トンボも何種類か見られました。
特に、ホソミオツネントンボには驚きました。庭のどこかで越冬しているかもしれません。
 
クロイロコウガイビルの粘液降下を発見したこと。デジタルカメラを取りにいく為に、保留の意味で近くの葉の上に載せたのがきっかけです。 その後、一度降りた粘液を登り返すこともできることを発見し、更にビックリ。
降下してきた粘液を登り返すクロイロコウガイビル コクワガタ オス サワガニ
秋に、コクワガタが柿の実に13匹も来ていたこと。もう、ほとんどいないと思ったいたので、驚きました。
絶滅寸前と思われるサワガニも健在でした。
頭を突っ込むトカゲ 土の中には別のトカゲ
デジタルカメラを買った翌日に、冬眠中のトカゲの不思議な光景に出会いました。
鉄パイプの中に産みつけられた、ヤモリの卵も発見しました。
鉄パイプの中のヤモリ卵 ヒバカリ
春以後、死体ばかりが見つかった、我が家のマスコット ヒバカリ。絶滅のピンチと思ったのですが、10月に3〜4匹の集団で現れてビックリ。長いこと確認していなかった幼蛇も確認しました。

 今年は、エルニーニョの影響とかで、通年とはかなり異なった天候でした。天候不順などで、あまり遠出はできなかったのですが、このHPを作ったことで、楽しく有意義に過ごせました。来年は、更なる深い観察を目指したいと思います。


98/10/29
 何年ぶりだろうか、ヒバカリの幼蛇を見たのは…。小さくて、なんとも可愛らしい。これで、今期の繁殖を確認できた。我家のマスコットも健在だ。
 何やら感じるのは、裏庭近辺で越冬しているのではないかということ。いずれ確認してみたい。
手乗り ヒバカリ

98/10/19
 窓から外を眺めていたら、なにやら動くものあり。双眼鏡で確認したら、イトトンボのようだ。そんなもの、いるのか? 急いで確認に行く。場所も高く、飛んで逃げられそうに思えたので、魚用の網で捕らえた。ホソミオツネントンボ?のようだ。我が家で、イトトンボの類を見た記憶はない。近くに、生息環境もない。 昨日、台風10号が日本海を北東へ移動した影響で、一日中風が強かった。その強風に飛ばされて来たのだろうか?
 CDケースに入れて撮影し、捕獲した場所に放した。何度か部屋の中で飛ばしてしまったが、飛び方もゆるやかで可愛いもの。部屋の中で放し飼いにしたいくらいだ。
98/10/15
 何はともあれ、絶滅の危機にあるサワガニヒバカリの生息が確認できたのは、喜ばしいことだ。
 しかし、今日のヒバカリの群はなんだったのだろう。複数のヘビを同時に見る事など初めてだ。一度に3匹(4匹)の生息が確認できたのは、とてもうれしい。なにせ、今シーズンは目についたところだけで、2匹の死体と(未確認ではあるが)猫がくわえていた1匹が死んでいたのだ。今日の数を足すと、それなりの数が今シーズンはじめにいたということになる。どう取ればいいのだろうか。多いのか、少ないのか…。昔よく見かけた幼蛇は、ここ数年、見かけていないのは事実だ。
しかし、ヘビ(ヒバカリ)に群れる性質があるのだろうか? 今日のは、意図して群れていた感じである。 まだ冬眠には早い気がするが、もしかしたら、冬眠に集まったものが、今日の暖かさで出てきたのかもしれない。この場所は、南向きで、使っていない植木鉢などが置いてある。毎日見ていて気付かなかったけど、もしかしたら、ヒバカリの隠れ家になっているのかもしれない。
 今日のヒバカリは、それぞれ元気良く動き回っていて、絶えてしまうという絶望感を吹き飛ばしてくれた。 生きているって素晴らしい。
98/9/24
 オス5,メス8,計13匹のコクワガタが庭にいたとは… いやはや、驚いた。これだけの数のクワガタを1ヶ所で見たのは初めてだ。探せば、まだまだ、いそうな感じがある。ちょっと、うれしいショックを受けた。
 クワガタが好む、樹液を出す木はないし、今年は燈火にも飛んで来なかった。偶然に数匹は確認できたが、個体数はそうとう少ないと踏んでいた。それが、それがである…
 柿の実の汁を吸うのは、ある意味で環境が悪いためなのかも知れない。しかし、これだけの個体数が発生しているのは事実だし、メスが8匹というのも今後に期待ができる。産卵・生育できる環境が、長きに渡って維持されることを願う。
98/9/10
 5/4の変死体以後見かけることなく、絶滅したかと思っていたヒバカリの轢死体がみつかった。生態系の中で死ぬのならまだしも、交通事故とは悲しい。こうして個体数が減って、滅びていくのだろうか。彼らには、環境の変化に対抗する術がないのだ。
 また死体であるが、少しホッとしたのも事実。見かけなくても、生息している可能性があることがわかったからだ。
 ヒバカリのような、小型のヘビが昼間にウロチョロすれば、カラスの餌食になるだけである。夜間に、人知れずに行動していてくれた方が、安心なのだ。とはいえ、また1匹死んだことは事実であり、以前は良く見かけた幼蛇も、ここ何年か見かけていないことも考えると、絶滅の瀬戸際にあることは確かだと思う。
98/8/30
 クロイロコウガイビルがいたので、粘液降下の撮影にチャレンジ。
 雨雲で空が暗いうえ、対象が細くてデジタルカメラのピント(自動)が合ってくれない。などとやっているうちに、ふいに粘液が切れてデジタルカメラの上にベッタリと張り付いた。反射的に、初めて奴を手で掴んだ。こいつの粘液は、かなり強力。レンズを外れたのは、幸いだった。
 明るい内の観察だけだが、最近は、オオミスジコウガイビルの巨大なタイプはほとんど見かけない。小さなタイプは、あまり明るさを気にせずに動き回るのだろうか。
98/8/23
 アオスジアゲハゴマダラチョウを、目の前でじっくり見て撮ることができた。ラッキーな日だった。広角レンズのデジタルカメラでは、1mも離れれば、何が写っているのかわからない。クッキリ撮るには、近づいて大きく撮ることが必要なのだ。
 アオスジアゲハは長いこと吸水していたので、久しぶりに一眼レフでも撮影した。ファインダー越しのチョウは綺麗だし、シャッターが思い通りに切れるので気持ちがよい。デジタルカメラで生き物を撮る方が、よっぽど難しい。
 デジタルカメラで、"とりあえず写して、トリミング"が普通になってしまったので、一眼レフを構えても、構図など考えていない。写真が下手くそになっているのは明らかだ。

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