クロサンショウウオの産卵
クロサンショウウオの産卵1 オス4匹、抱卵したメス1匹がたむろしている。体側にシワが目立つのがオス、頭が小さく、斑模様で灰色っぽいのがメス(左)。
メスにオスが集まるということはなく、メスがオスに近づくと、オスは追い払ってしまう。
クロサンショウウオの産卵2 (A) オスは、産卵に適した枝状のものに抱きつき、揺する。(この震動がメスを呼び寄せる信号となっているよう) 離れた所にいたメスが寄ってくる。 他のオスも、付近に集まってくる。
クロサンショウウオの産卵3 (B) メスが枝に抱きつき、数回大きく揺する。オスの震動より周期が長い。(※枝の先だからかもしれない) すると、オスがぐっと集結する。 その後、メスは離れ、A〜Bを何度か繰り返す。
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ついに、メスが"本気"で揺する。大きく、長く続く。
クロサンショウウオの産卵4 オスが"本気"で集結する。オスの動きは素早く、一気に抱きつき、産卵体勢に入る。
クロサンショウウオの産卵5 オスは、より良い場所を獲得すべく、場所を奪い合う。口を開けているオスもいる。
メスの尾の根元に、白く見えるのは卵嚢だろうか? 卵嚢の先端が、枝に産みつけられたようだ。
クロサンショウウオの産卵6 メスは失神しているかのよう。身動きしない。オスは、メスの身体を抱えて持ち上げる。これは、『助産行動』と呼ばれる、卵嚢を引き出す行動らしい。メスは身動きしない(できない?)ので、オスの助けが必要なのだろうか。ただ、一連の流れからは、オスの争いにはじき出されたという感じに見える。
白い卵嚢が出てきているのがわかる。
クロサンショウウオの産卵7 メスは死んでしまったかのようだ。ピクリともしない。死体のように、ゆっくりと浮かび上がる。 4匹のオスは、団子状になり、卵に抱きついている。いつ放精しているかは不明。
メスは、死んだように水面に漂った後、疲労した感じでゆっくりと去っていった。オスは、しばらくこの状態でいた。
 全般を通して、オスは、メスにはさほど興味がなく、卵にだけ興味があるように感じられた。オスもメスも、振動に敏感である。
クロサンショウウオの産卵8 生息数の多い場所では、数十匹のオスが集まるので、産卵の状況は異なっているかもしれません。
クロサンショウウオの卵嚢は、一般的に白い。産卵直後は細く、その後、水を吸ってアケビ状に膨らむ。ぶよぶよで柔らかい。1匹のメスが2本(1対)産む。


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