7/20(火)海の日。初日の予定は、焼石岳の麓までの移動。暑さを避けるためと、距離を稼ぐために、深夜に出発。梅雨が明けたとも思えるような天気概況で、数日は晴れが見込める。
0:30川崎市宮前区発。都心部を縦断し、秋葉原から新R4。休みのせいか、トラックが少なく、いい感じに走れる。新利根大橋\50-。暑さ対策ばかり考えていたが、利根川を超える頃には、かなり涼しくなり、ジャケットを着る。景色が見えるわけでなし、ただひたすらに距離を稼ぐ。那須−白河間は、霧にポソポソと雨が混じる。"大丈夫"と希望的に判断して、カッパは着なかったが、かなりシットリと濡れた。グローブはぐっしょりになった。夜は、曇の具合がわからず、雨対策が難しい。徐々に明るくなり、気分的にも楽になる。その後は晴れて、グローブも乾く。温度表示19度。
このまま今日の目的地へ直行すると、昼前に着いてしまうことになる。しばし、地図を眺めて、検討。 ひたすらに走ってきたので、ちょっと息抜きをしたい。ゆったりとした、東北モードに切り替えたい。思い浮かぶのは、やはり温泉。ちょうど、山間部へ向かえば、温泉ゾーンの栗駒山だ。以前から気になっていた、栗駒山中の「湯の倉温泉」へ行ってみよう。 林道の脇にカブを置いて、歩く。橋を渡って、ぶな林の登山道を20分ほど歩くと、赤い屋根の温泉小屋が見えてくる。窓に並べて干された浴衣がいい。 ![]() まずは、内湯でくつろぐ。窓から入る柔らかな光りが、気分を落ち着かせる。 やはり、露天風呂に行かねばなるまい。露天風呂は、旅館の前を流れる川沿いにある。内湯の脇の扉を出て、サンダルを履いて30mくらいか。ちょっと、距離があって、裸で歩くには抵抗がある。旅館の部屋からは、丸見えである。ま、誰もいないからいいのだけれど。と、露天風呂脇には、露天風呂用の脱衣所があった。 湯船は、コンクリートで渓流の中に無理矢理に造られている。湯船の造りが、風景に似合わないのが残念。湯につかると、渓流のただ中にたたずんでいる感じだ。渓流の音を聞きながら、覆いかぶさる木々の淡い緑を眺める。しばらくすると、頭は空っぽになり、脳みそだけ深い眠りに入ったような感じになる。身も心も、とろけてしまいそう。 男性登山客が一人入ってきたが、こちらはすっかり放心状態で、言葉すら交わさなかった。のぼせそうになると、湯船の縁に腰掛けて、川の水を蹴ったりしながら、身体を冷ます。冷えたら、また湯につかる。これを何度か繰り返した。 内湯に戻り、脱衣所の窓を開け、風を入れて涼む。ここからだと、渓流を上から眺められて、いい感じだ。流れの中にある岩の上に、カモの子が4羽寄り添って寝ている。なんとも幸せそうだ。よく見たら、珍しいカモだったのでビックリ。 のんびり服を着てから、旅館の犬の相手をして遊ぶ。すっかり東北モードに入ったようで、先を急ぐ気はなくなった。
登ってきた登山道を、カブまで戻る。先ほどとは、また違った気持ち良さがある。森を抜けてきた風が心地よい。 11:50発。最初の自動販売機の缶飲料で一服。この地域専用の温泉小屋が、こぢんまりと建っている。温泉を出て、ここで一服するのだろう。そんな生活の臭いが嬉しい。 温湯温泉を右手に見て、R398を湯浜峠へ。車は、ほとんど走っていない。ノロノロと標高を上げて行くと、濃い霧が出てきてしまった。 "山に向かったのは失敗だったか… 山の上だけ雨が降っているかも知れない。ここで雨に濡れるのは嫌だなぁ" と、不安半分、希望半分という所。山道なので、ガスっていても、それなりには楽しい。
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須川温泉の駐車場まで行くが、駐車場は満杯で、そこら中に人が溢れている。ここまでは静かだったので、ちょっと戸惑う。今日は、祭日なのだ。追い出されるように、駐車場を一回りして、少し戻って、R342を東成瀬村へ下る。車もほとんどなく、幸せな道。車を一台抜かしたら、押さえが効かなくなって、かなり飛ばしてしまった。カブにとっては、下りのワインディングは至福の時なのだ。貪らねばならない。飛ばせども、追いつくべき車など走っていない。流れる山々は、さらに美しく見えて、それがまた気分を高揚させる。
つぶ沼には、家族連れが10組くらいいて、思い思いに遊んでいる。沼には、禁止の立て札など無く、子供が網を持って遊んでいる。それが、しごく当たり前のような雰囲気。誘われるように沼を覗いてみたら、カエルやイモリの密度の濃さに驚かされた。
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目覚めた時は、"ここはドコ?"状態。 周りを見回して、"あぁ、東北にいるんだっけ… こんなに明るい… 大寝坊じゃねぇか!"って、飛び起きるが、まだ初日の夕方であった。まだまだ、たっぷり時間があるじゃないかと、起きてしまった事を取り戻すように、ごろごろだらだら。 新兵器・液晶TVを始動する。やはり山の中、一つの電波も入らない。そんなこたぁ、予想済みヨ。そんな時のために、ラジオが…、ラジオが…、…無い…。明日の天気がわからないが、どちらにせよ、やることは同じだ。
日が暮れると、大量の蚊が出てきた。テントに入ってしまえば、襲撃を受けることはないのだが、テント越しに奴らの羽音が聞こえる。聞こえないような、小さな羽音が集まって、うなり音のように聞こえるのだ。沼の付近一帯の蚊が、このテントの周りに集結しているかのように、大量の蚊が飛び回っているのだ。テントの薄い生地の向こうは、地獄なのである。甲高い羽音は、奴らの動き、形、かゆみなどの不快なイメージと結びついていて、精神をジリジリといたぶる。睡眠が不足しているので、直ぐに眠りに入るのだが、眠りは浅く、不快な夢にうなされ続けた。 走行552km 燃費48km/l程度 温泉代:500円 |